摂食障害ということばは耳慣れなくても、拒食症・過食症なら聞いたことがあるのではないでしょうか?それらの総称である摂食障害は、食事することがうれしと感じられなくなってしまう精神的な病の一つです。
体に危険が生じるほどがりがりにやせてもまだ太っているように感じ、体重が増えることに対して強い不安や恐怖がわいてきます。
そのため、極端なカロリー制限をしたり、嘔吐や下剤の使用をするなどやせを維持するための過剰な努力をします。
しかし体は飢えているので、その反動で食べ物のことばかり考えてしまい、行動も生活もすべて食に振り回されることになります。
そして、なかなか病気から抜け出せなくなるのです。
摂食障害・過食症・拒食症改善マニュアル
摂食障害を理解し自分で出来る摂食障害の改善には!
過食予防のためのルールを作る!
もしもあなたが既に摂食障害になってしまったら
「過食嘔吐をどうしても止められない」という場合は、自分の中で『決めごと(=ルール)』を作ってみてはいかがでしょうか?
こういったルールを決めることで、自分の中の衝動をコントロールして過食を予防している方が結構いらっしゃいます。
@「旅行する」「資格を取る」といった目標を設定し、過食するための食料にかかるお金を貯金する。
Aお腹が空いたら、炭酸入りの水を飲む。(満腹感が味わえて、過食予防に効果があるようです。)
Bお腹が空いたら、寒天ゼリーや焼き海苔を食べて気を紛らわす。
C財布に余分なお金を入れない。
Dコンビニやスーパーがある道を通らない。
Eアロマや入浴剤などで、心身をリラックスさせる。
F過食の衝動が襲ってきたら、深く深呼吸を繰り返す。
自分の症状に合わせて、無理のない範囲でルールを設定し、
「これが守れたらあれを食べよう!」
と自分にご褒美を与えてみましょう。
食事に時間はみんなで楽しもう!
毎日の食事を、なるべく1人で摂らないように注意しましょう。
1人暮らしの場合でも、朝が以外は誰かと一緒に食べに行ったり、家に招いたりして、できるだけ「孤食」は避けるのが摂食障害の予防策。
1人で食べると、食事の内容が偏ってしまったり、ついつい食べ過ぎてしまったり、食べる量の変化に誰も気付いてくれなかったり・・・。
摂食障害の兆候に気付いてもらえないまま、摂食障害に飲み込まれていくという危険性もあるのです。
また、誰かと楽しくおしゃべりをしながら明るい雰囲気の中で食事を摂るのは、摂食障害の元凶であるストレスを低減させる効果もあります。
食事の場はコミュニケーションの場でもありますので、心に気にかかっていることを相談してみる絶好の機会ともいえるでしょう。
些細なことだと思われるかもしれませんが、このように食事の雰囲気に気を付けるだけでも、摂食障害の予防に繋がるのです。
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自分に合ったストレス解消法を見つけよう!
ストレス解消が下手で、ストレスを溜め込み易しい人は、摂食障害に
そのため、自分に合ったストレス解消法を見つけることが一番の予防法!
ただし、ストレス解消法を「食べること」に向けてしまうのはNGです。
最初はストレス解消のための食べ歩きのハズが、気付いたら過食嘔吐になっていて・・・
というケースも多いからです。
できれば、軽いスポーツやアウトドア・音楽・ライブ・旅行・おしゃべり・読書・絵画・ゲーム・・・
食べ物以外の趣味が見つけられると理想的です。
こういった趣味をきっかけに、外に人間関係を広げ、一人で悩みを抱えるようなことがないようにしましょう。
摂食障害・過食症・拒食症改善マニュアル/松本久美子がカウンセリング
摂食障害は予防できるの?
「太るのでは」という恐怖心から、まともな食生活が送れなくなってしまうという摂食障害。
拒食症と過食症を繰り返し、一度かかってしますと治療には、長い時間が必要になることが多いと言われています。
若い世代のみならず、中高年も摂食障害を発生する方が増えていることから、大学や病院などの各種研究機関でも摂食障害予防のための様々な治療ポログラムの開発が進められています。
しかし医療機関に頼らなくても、日常生活の中で簡単に摂食障害を予防したり、過食嘔吐の衝動を抑えたりする方法もあります。
日頃から簡単な予防法をきちんと行なっていれば、摂食障害の発症率をグッと抑えることが可能なのです。
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摂食障害との付き合い方 〜生活改善が大事!〜
摂食障害の治療には、カウンセリングや薬の服用も必要ですが、日頃の生活改善もとても重要なポイントになります。
十分な睡眠
摂食障害の人のなかには、不眠症などの睡眠障害を持っている人も大勢いるのではないでしょうか。
夕方頃になると気分が晴れてきて、夜は眠れないというパターンがよく見られます。
これも摂食障害の特徴ですね。
寝ようとして布団に入っても寝付けない人、睡眠時間をけずってまで過食をしようとする人…
睡眠不足の理由は人それぞれです。
夜眠れないからといって夜更かしし、朝遅く起きるといつの間にか昼夜逆転生活になってしまいます。
『摂食障害の治療法』のページで、睡眠薬のことについて触れましたが、毎晩眠れずに睡眠薬を使う人も少なくないようです。
けれどできるなら、なるべく薬に頼らないで眠れたらいいですよね。
生活のリズムをととのえるためには、まず夜に十分な睡眠をとることから始めましょう。
寝ることがストレスになってもいけないので、どうしても眠れない時は無理することはありませんよ。
ただ、寝具や照明・香り・音楽など、心地よい眠りのための方法を試すものいいかもしれません。
次の項目では快適な睡眠のためにも役立つ運動について見ていきたいと思います。
適度な運動
拒食症の人は、意外と活発に動きまわるといいますが、過食症の人は症状のせいもあって、家に閉じこもることが多くなります。
また拒食症に関しては、激しい運動のしすぎともいわれます。
運動に限らず、どんなことでもやりすぎも良くありませんし、やらなさすぎもダメです。
気分の良いときに、家の近所を散歩する♪
これだけでも、ずいぶん違ってくると思いますよ。
このように、できれば外で運動するのが新鮮な空気を吸いながら、身体を動かせるので一番いいと思いますが、外がイヤな場合はストレッチなどをするといいでしょう。
最初は気分がすぐれなくても、運動することで余計なことを考えずに済むので、次第に気分も晴れていきますよ。
さらに、できることなら家族や友人など何人かで一緒に運動することをおすすめします。
みんなで楽しくおしゃべりしながらやれば、運動も辛いものじゃなくなりますよ。
身体にもよくて、ストレス解消にもつながり、まさに一石二鳥ですね!
おいしい食事
摂食障害の人にとって、普通に食事をすることは簡単なことではないですよね。
それでもやっとの思いで食事をしたとして、料理をおいしいと感じることはほとんどないでしょう。
本来は、おいしく味わうはずの食事を受け付けなかったり、食べても全部吐いてしまうのは悲しいことですが、それが摂食障害という病気なのです。
ですが、やっぱりきちんと食べるものを食べなければ心身に影響します。
摂食障害の子供がいる家庭ではどこも、少しでも美味しく食べてもらおうと一生懸命です。
無理やり食べさせるのではなく、これなら食べられる!
というような工夫をするといいでしょう。
拒食症の人は、サラダや鶏肉など低カロリーのものばかり好みます。
反対に過食症の人は、菓子パンなど高カロリーのものを好みます。
ここで料理を出すときのコツを紹介しましょう。
【一人だけ別メニューにする】
特に拒食症の場合は、本人からみんなとは別のメニューにして欲しいというときもあります。
たとえ、家族と同じものが食べられなくても、少しでも口に入れられるものがあるのはいいことですよね。
【最初から小皿に盛って出す】
普通の大きさのお皿に盛ったら、これを全部食べないといけないのかな…
とプレッシャーになって、結局何も食べられないことがあります。
そんな時は小皿に盛ってみましょう。
女性って、小皿に少しずつ盛ってあるのが好きな人多いですよね♪
【大皿から自分で取り分ける】
大皿に人数分をもって、そこから自分が食べられる分だけ取り分けるのもいい方法です。
これなら最初から分量が決まってないので、気楽に食べられると思います。
何を食べるかよりも、どう食べるかの方が大事だったりします。
これらを参考にして“摂食障害”と向き合っていきましょう
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